
更生保護女性連盟役員研修会
平成23年2月25日(金)
於 東京保護観察所 集団処遇室
・更生保護女性会の活動について
統括保護観察官 杉山 多恵氏
・更生保護施設の現状と将来の展望
更生保護施設 両全会理事長
小畑 輝海氏 |
更生保護女性会の活動について 杉山 多恵氏
・更生保護(社会内処遇)を取り巻く情勢の変化
・更生保護女性会のあゆみ
・更生保護女性会の運営について
・パートナーシップの構築について
更生保護関係者は現在まで刑事政策の最終対応として、長
きに渡り黒衣に徹する存在であった。しかし平成19年、更生保
護法の成立とともに、再犯防止を明確な目的として位置づけら
れるようになった。
再犯防止、改善更生を基本に、強靭な保護観察の実現の為、
警察との協力、処遇プログラムの実施により、社会復帰までの
実質的活動と変化している。
保護司と共に地域に密着した活動を原点とし、その目標をより
高く設定することで達成感と同時に組織そのものが力をつけるで
あろう。
お料理、手芸、歌、絵、などの楽しい活動も積極的に取り入れ、
若い方々にも魅力ある組織づくりが待たれる。
更生保護の課題、地域の問題を的確にとらえ、関連諸団体と
緊密な連携をとることで、確実な情報を入手し緊張感のある会運
営がはじめて実現する。
新宿更女はスリランカへの支援等、今まで国の取り組みが皆無
であった分野にも既に実績があり、今後国境を越える国の活動の
手本として杉山統括官より好事例として大きく取り上げられた。
また、ブロック別研修会に新宿保護司会会長の参加も頂き、他
組織から見られ、批判される内容として緊張感のある活動の充実
を図っている。
更生保護施設の現状と将来の展望
両全会理事長 小畑 輝海氏
当会は女性のための更生保護施設で、1917年、市谷刑務所の
教誨師・藤井恵照により自宅を開放して設立された。
現在は、新宿の高層ビルと代々木の森が望める絶好の地にあり、
立地の良さから殆どの者が早期に仕事に就き、寮生は平均四ヶ月
の間に自立の準備を行い、巣立っていく。
個人の相談指導として、母親代わりの話し相手にボランティアの協
力を得ている。寮生は温かい家庭的な雰囲気のなかで対人関係を築
き、貴重な励ましとやる気の育まれる場となっている。
厳しく指導する職員と優しいぬくもりの民間ボランティアは、寮生にと
り更生のためのかけがえのない両輪である。
今後は単なる宿泊施設にとどまらず、入所者の有効性を機能援助し、
処遇施設としての機能の充実に真剣に取り組んで参りたい。
また、保護観察期間終了後の相談員によるサポート体制も必要であ
ろう。心のケアを維持するために、関係諸機関の協力のもと、ボランテ
ィアを含めた制度化を早期に実現させたい。
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