講演
「隠ながら痛む心が自・他を救う
瓜生岩子の生涯とその誓願にまなぶ」
講師 中野 東禅 先生
資料紹介
瓜生 岩子 1829~1897
1829年、現在の喜多方市に裕福な商家の長女として誕生した。
9歳の時に父が病死、その49日に家が消失するなど悲運の少女時代
を経て、後半生を社会運動に捧げ、ある人をして菩薩の化身とも日本の
ナイチンゲールとも賞讃された慈善事業家。
二百余名の孤児の母であり、社会福祉運動の先駆けとして、我が国女
性初の藍綬褒章を受章された。
講演内容
福島県に刑務所が誘致されたが、刑期を終えた者たちの更生保護は貧
弱なものであった。
瓜生は刑を修了した者、ならびに非行少年の改善更生、社会での立ち直
りの方法をかなり早い時期から具体的に考えていた。
刑務所で罪を償い、改善更生をさせても、食が足りなければ更生の気持
ちに繋がらないと、現在でも同様に通用する究極の概念に気付いたことは
賞讃に値する。
すなわち、食が足りる、とは、社会の中で職を得ることである。
やる気が起きなければ、生きていられない事実にも言及し、時の行政に
訴え、私財を投げ打って施設の建設をはじめ、幾多の慈善事業に勤しんだ。
女性の立場、権利もまったく確立されていない厳しい社会状況下で、鋭
い洞察力と時代を読み取る的確な眼差しは強い意志と類まれな実行力を
伴って、社会をおおきく改善したのであった。
21世紀の現在、激動する社会の更生保護活動に関わる私共にとり、瓜
生の先見の能力、その実行力の意義を改めて考え、今後の活動の指針に
すべきを痛感しました。
本日は、港区更生保護女性会主催の講演より、史実から更生保護を学
ばせていただき、大変な勉強になりました。
厚くお礼申し上げます。
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